世界の終わりまで、___
紹介
別れたばかりの鉢尾は「世界の終わり」に直面、同級生を見に行く終末旅行に出ることになった話
あのニュースを見た時、勘右衛門はこたつの片付け作業をしていた。
もうほとんど夏なのに、こたつがまだ出しっぱなしなのは確かに不思議すぎる。
勘右衛門のそういう先延ばし癖で、三郎には何度も怒られている。
今日はようやくこたつにバイバイするつもりだったのに、どうやらもうその必要もないらしい。
テレビでは、SF好きな中学生の悪夢のようなニュースが流れていたからだ。
「世界の終わり」なんて、あまりにも非現実的なジョークみたいな言葉だけど――今日は別にエイプリルフールでもない。
やっぱり今日は「こたつにバイバイする記念日」より、他の記念日をする方がいいかも。
鉢屋三郎と別れた日の後夜祭よりも。
昨日は三郎と別れた。別に何の驚きべきこともなく、いずれ絶対訪れることをずっと確信したから。
そしてその三郎は今勘右衛門の隣でテレビを見ながら、無意識のように「雷蔵…….」と漏らした。
ああ、勘右衛門は納得する表情で、そういう三郎を見ながら、久しぶりに心から微笑んだ。
最初からそうするべきだった。これこそ、勘右衛門にとって理想的な、二人が選ぶべき道だから。

